健康住宅を建てる   3. 建材に含まれる有害物質


裏技

 

 

 

 

 


築住宅への入居時やリフォーム後に、頭痛やめまい、吐き気、目がちかちかする、これらの症状を引き起こす原因は、建材や塗料などから揮発した化学物質といわれています。

建材の中にはさまざまな化学物質が使われています。その中でも人体への影響が大きいのが次の3つです。

 
ホルムアルデヒド:HCHO
 農薬系防腐剤、防虫剤
 揮発性有機化合物(VOC)

 

 

ホルムアルデヒドは、主として接着剤や合成樹脂に含まれている有害物質です。
刺激臭のある無色の気体で40%程度、水とメタノールとに溶かしたものはホルマリン液といい、薄い溶液でも細胞内のタンパク質を凝固させて細胞を殺す作用があるので、消毒剤、殺菌剤や防腐剤、保存剤、防菌剤、防虫剤として使用されます。

 
合板やパーティクルボードには接着剤として使われており、接着剤の中でホルムアルデヒド含有量の多い順にユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系となっています。
ホルムアルデヒドは塗料やホルマリン漬標本、壁紙を貼る際の接着剤の溶媒として、カーペットを貼る際の接着剤、化学畳にも含まれています。
また、フェノール樹脂(ベークライト)、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア)といった樹脂(接着剤・塗料をふくむ)の原料としても用いられており、、布地の防しわ・防ちぢみ処理剤としても使用されています。

 

ホルムアルデヒド吸引時の身体症状

空気中の濃度

症状

0.1ppm〜

臭気を感じるが、すぐに慣れて感じなくなる

0.5ppm〜

刺激臭を感じる

1〜2ppm

鼻や目に刺激、不快感

5〜10ppm

強い刺激、苦痛を覚える
短時間耐えられる限度

10〜20ppm

せき、涙、深呼吸できなくなる

50〜100ppm

深部気道障害
炎症を招き死に至ることも

 



ホルムアルデヒドは急性毒性が強く、突然変異性(遺伝子に影響を及ぼす)があるとして、厚生省が劇物に指定している化学物質です。

慢性作用として、肺活量の減少、せきを伴う気管支炎やぜんそくの症状が、 また、国際ガン研究機関は、発ガン性のおそれがある物質と分類しています。
室内のホルムアルデヒドの濃度が高くなるにしたがって、ぜんそくにかかる子供の割合が増えていくという調査報告もあり、気管支ぜんそくの持病をもつ人は0.25〜ppmの濃度でも激しい発作を起こすといわれています。

また、ある基準を慢性的に吸入し続けるとアレルギーを誘因するとされています。
特に0.04ppmを超える家庭では40%以上もの子供がぜんそくと診断され、さらにアトピーの症状も数多く見られています。
日本では労働衛生上の許容濃度が0.5ppmですが住居室内基準はありません。ちなみに欧米の室内環境基準は0.1ppm〜0.2ppmの範囲を採用しているところが多いようです。 

 

ホルムアルデヒドの室内基準(1986時点)

アメリカ

0.2〜0.5ppm

デンマーク

0.12ppm

オランダ

0.1ppm

スウェーデン

0.1ppm(新築)

ドイツ

0.1ppm

日本

0.5ppm 労働環境基準
(産業衛生学会)

 



 

 

化農薬系防腐剤、防虫剤 が使用されているのは畳や土台などの木材の防腐・防虫剤や床下の土壌処理防蟻剤などがあります。

主な農薬として、住宅の防虫畳や防蟻処理に使われている農薬や木材の防腐剤として有機塩素系、有機リン系、有機ハロゲン系、有機スズ系、ピレスロイド系、カーバメイト系などがあり、その他有機水銀系、有機硫黄系、トリアジン系、ナフタリン系、タール系があります。


  

防虫処理としてフェニトロチオン(商品名:スミチオン)やフェニチオン(商品名:バイジット)といった有機リン系殺虫剤が主なものです。一般的に流通している畳は農薬による防虫処理がなされており、畳床に殺虫剤を染み込ませた紙や布を縫いつけて作られています。これらの農薬は1uあたり1g以上もの高濃度で使用されており、通常水田で使用量の約20倍といわれています。


  
シロアリ駆除剤
木材に塗布したり加圧注入されたり、床下土壌に注入されて使用される他、合板で使用される場合は接着剤に添付されることもあります。住宅で起きる中毒事故ではこのシロアリ駆除剤によるものが多く、使用には細心の注意が求められます。
最近まで住宅金融公社の仕様書にはシロアリ駆除や防腐処理を義務づけていましたが、ヒバやヒノキなどの耐腐朽性や耐蟻性の高い木材の芯材を使用すれば薬剤処理は必要ないとされました。


 
土台
農薬の使用は木材の防腐剤としてたてものの土台に使用されることがあります。

 

 

 

 
 

 

揮発性有機化合物(VOC) 

建材に含まれる主なもの

有害有機化合物

用途

 トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ノナン、デカン

 ペンキの溶剤

 アセトン、ISO-プロピルアルコール、n-ブタノール

 水性ニスの溶剤

 トルエン、キシレン、酢酸ブチル、n-ブタノール

 ラッカーの溶剤

 フタル酸エステル系、リン酸トリクレシル

 ビニルクロスの可塑材

 リン酸トリエステル系

 壁紙類の難燃加工材

 酢酸ブチル、n-ブタノール、トルエン、キシレン

 壁紙類の接着剤溶剤

 酢酸メチル、酢酸ビニル、酢酸エチル

 木工用接着剤溶剤

 トリメチルベンゼン、ブチルベンゼン、デカン、エチルトルエン、キシレン等

 床ワックス

 ナフタリン、フェニチオン、フェニトロチオス、ダイアジノン

 畳の防虫加工剤

 クロルピリホス、ホキシム他

 木材、土壌の防蟻剤

 

ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材保存剤・可塑剤・防蟻剤などを含む
可能性のある建材・施工材の例の一覧表

 合板、パーティクルボード、MDF

 ホルムアルデヒド(接着剤)

 断熱材(グラスウール)

 ホルムアルデヒド(接着剤)

 複合フローリング

 ホルムアルデヒド(接着剤)

 ビニル壁紙

 ホルムアルデヒド(防腐剤)、可塑剤

 防蟻剤(木部処理・土壌処理剤等)

 有機りん系、ピレスロイド系殺虫剤

 木材保存剤(現場施工用)

 有機りん系、ピレスロイド系殺虫剤

 油性ペイント

 キシレン

 アルキド樹脂塗料

 キシレン

 アクリル樹脂塗料

 キシレン

 油性ニス

 トルエン、キシレン

(上記以外の接着剤)

 壁紙施工用でん粉系接着剤

 ホルムアルデヒド

 木工用接着剤

 可塑剤

 クロロプレンゴム系溶剤型接着剤

 トルエン、キシレン

 エポキシ樹脂系接着剤

 キシレン、可塑剤

 エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型
 接着剤

 トルエン、キシレン、可塑剤

 ポリウレタン(溶剤)系接着剤

 トルエン



揮発性有機化合物は数百種類もあるといわれ、性質や毒性もさまざまです。共通する性質として、揮発しやすいため肺から血液中に取り込まれる、また脂肪溶解性によって皮膚や目から吸収されるなどがあげられます。
トルエンは突然変異性が報告され、酢酸ビニルやデカンは発ガン性の疑いがあるともいわれています。

中毒症状

 軽度

 精神興奮
 倦怠感
 頭痛
 めまい
 吐き気

 中度

 吐き気
 食欲減退
 息切れ
 動悸
 手足のしびれ

 重度

 小脳麻痺により死に至る

 

 

 


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