住まいの法律塾


第1回 建築基準法 用途地域内の建築制限
 
 

■建築基準法とは

    建築基準法 第1条

    この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低限の基準を決めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、
    もって公共の福祉の増進に資することを目的とする


法律は用語や書き方が難しいので、分かりにくい印象を受けますが、この法律は
 ・建物を建てる敷地や建物の構造(安全性)、設備(暮らしやすさ)、用途(建物をどのように使うか)、について、建物を建てる人が守るべき最低限のルールを決めたもの
 ・それによって、私たちの健康的なくらしや財産を守り、地域の誰もが快適に暮らせることを目的としている
というものです。
建築基準法は
規模(環境への影響)
構造(安全性)
設備(暮らしやすさ)
用途(建物をどのように使うか)
について定められています。
これから我が家を建てようとする方は、この法律のあらましを理解しておく必要があります。というのも、実際に建てられる家の広さや高さ、構造、防火性能、居住環境、などが具体的に決められているからです。

 


法律用語の解説
 
 
まず、建物のボリュームを決定づける重要な要素についてピックアップしました。

 

 

 用途地域内の建築制限

    用途地域とは、良好な住環境を形成するために定められた地域です。

用途地域内の建築制限

 

 第1種低層住居専用地域
 (旧第1種住居専用地域)
 

 

 第2種低層住居専用地域(新設)

 

 第1種中高層住居専用地域(新設)

 

 第2種中高層住居専用地域
 (旧第2種住居専用地域)

 

 第1種住居地域(新設)

 

 第2種住居地域
 (旧住居地域)

 

 準住居地域(新設)

 

 近隣商業地域

 

 商業地域

 

 準工業地域

 

 工業地域

 

 工業専用地域

 

 あなたの敷地が工業専用地域でなければ、専用住宅は建築可能です。
また、兼用住宅(店舗併用住宅)でも、非住宅部分の面積が延べ床面積の1/2未満で、 かつ、50平方メートル以下なら建築可能ですが、そうでなければ第1種住居専用地域など 建築できない地域があります。
あなたの土地がどの地域に属しているかは、市役所や、建築士に御尋ねください。



 

 

 ■建ぺい率

敷地の広さに対して建てられる建物の大きさには制限があり、建ぺい率は敷地に対する平面的な割合を制限し、それぞれ、用途地域によって定められている限度のことをいいます。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積

つまり、住宅地では、高層の建物を建てないようにして良い住環境を守り、市街地(商業地)では、土地を有効に活用できるように規定されているわけです。

建ぺい率

用途地域

建ペイ率 (%)

第1種低層住居専用地域
(旧第1種住居専用地域)

    30、40、50、60
    のうち都市計画に定められたもの

第2種低層住居専用地域(新設)

第1種中高層住居専用地域(新設)

第2種中高層住居専用地域
(旧第2種住居専用地域)

第1種住居地域(新設)

    60

第2種住居地域(旧住居地域)

準住居地域(新設)

近隣商業地域

    80

商業地域

準工業地域

    60

工業地域

 実際にどのくらいのたてものが建てられるか、計算してみましょう
 
 
問い:建ぺい率40%の世田谷区の土地100uにどのくらいのたてものが建つでしょう?

 
答え:
    40(建蔽率)=χ÷100(敷地面積)
    
1階の面積が40uのたてものが建つことができます。

 なお、建ぺい率には緩和ができる場合があります。例えば、角地の場合、上の表にある建ぺい率から10%加えることができます
 



 

     

  ■容積率

容積率とは敷地に対する立体的な割合(ボリューム)を制限しています。
   
容積率=延べ床面積÷敷地面積

 

容積率

用途地域

一般の敷地 容積率(%)

敷地全面道路幅
<12m(%)

第1種低層住居専用地域
(旧第1種住居専用地域)

 50,60,80,100,150,200

 上記割合以下で、
 かつ、全面道路の幅員 (m)×0.4

第2種低層住居専用地域
(新設)

第1種中高層住居専用地域
(新設)

 100,150,200,300

第2種中高層住居専用地域
(旧第2種住居域)

第1種住居地域
(新設)

 200,300,400

第2種住居地域
(旧住居地域)

準住居地域
(新設)

近隣商業地域

 200,300,400

 上記割合以下で、
 かつ、全面道路の幅員 (m)×0.6

商業地域

 200,300,400,500,600,700,800
 ,900,1000

準工業地域

 200,300,400

工業地域

 実際にどのくらいの高さのたてものが建てられるか、計算してみましょう

 
問い:容積率400%の居住地域で、敷地面積が100u、全面道路の幅員が6m

 
答え:
 
例えば、容積率が200%の住居地域で、敷地面積が100平方メートル
全面道路の幅員が4mの敷地の場合
4×0.4=160% < 200% よって160%が限度
延べ床面積が160平方メートルの建物しか建てれないということです。

このほか特殊な場合の容積率の緩和・特例がありますので、あなたの土地がどの用途地域に属しているか、また容積率がいくらになっているかは市役所や建築士に御尋ねください。

 

 

 

 

  ■高さ制限

用途地域

絶対高さ制限
(m)

外壁の後退距離
(m)

道路斜線

北側斜線

勾配

立上り
(m)

勾配

第1種低層住居専用地域
(旧第1種住居専用地域)

10、12

1、1.5

1.25

5

1.25

第2種低層住居専用地域
(新設)

第1種中高層住居専用地域
(新設)

制限なし

制限なし

1.25、
全面道路が
広い場合1.5

10

第2種中高層住居専用地域
(旧第2種住居専用地域)

第1種住居地域
(新設)

制限なし

第2種住居地域
(旧住居地域)

準住居地域
(新設)

近隣商業地域

1.5

商業地域

準工業地域

工業地域

   ■絶対高さ制限
低層住宅系の地域では建物の最高高さが制限されています

 
外壁の後退距離
低層住宅系の地域では敷地から規定の数値を離して建物を建てなければなりません。

 
道路斜線制限

 建物の圧迫感を押さえるために、このような規定があります。 全面道路が狭い敷地の方は注意してください。

 
北側斜線制限

 北側に隣接する敷地の日照を確保するために、このような規定があります。 南北距離が短い敷地の方は注意してください。



 

 


 ■防火・準防火地域内の構造制限

防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するため定められた地域です。
 

防火・準防火地域内の構造制限

防火地域

 

準防火地域

 

無指定

 

火災発生の際、防火地域ではその火災が他に及ばないこと。
また準防火地域では延焼速度を遅くし、市街地の防火に役立てようする趣旨で規定があります。
防火地域に木造の住宅は建てることができません。
準防火地域では、2階建ての建物なら外壁や軒裏の延焼の恐れのある部分を防火構造にするだけで よいのですが、延べ床面積が500平方メートルを超えたり、3階建て以上の建物の場合は
耐火建築物または、 準耐火建築物としなければなりません。
従来3階建木造建築物は準防火地域 では建築できませんでしたが、 昭和62年の法改正で、防火上必要な技術基準に適合する建築物なら、 木造でも可能になりました。

 

耐火建築物

主な構造部分を耐火構造としたものです。一般的には鉄筋コンクリート造の建物がそれにあたります。
 

準耐火建築物

主要構造部を準耐火構造としたもの、外壁を耐火構造としたもの、 主要構造部を不燃構造としたものがあり、それぞれ構造が規定されています
 

 

 


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