インテリア・ガーデン  カナダの個性的なガーデニング事情
 

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    ガーデニングの盛んなカナダでは、型にはまった様式にとらわれない、自由なセンスの庭づくりを楽しんでいる人々がいます。
    そんなユニークな発想でデザインされた庭をご紹介しましょう。

 

今回登場する庭はカナダ西岸の都市、バンクーバー近郊にあります。カナダといえばロッキー山脈 が有名で、厳寒の国という印象を持つ人が多いようですが、バンクーバーやビクトリアといった地域は暖流が流れる太平洋に面しているため、温暖な気候です。冬も東京とほぼ同じ気候で、平地部は雪が積もることも少ない緑多い地です。夏も25-26度と過ごしやすく、 しかも乾燥している為 暑苦しくて 寝れないという日は まず ありません。3月に入ると桜、すみれ、クロッカス、プりムラ、スノードロップ、水仙、ビオラなどが咲き、人々に春を告げてくれます。

そんなバンクーバーでは平均的な住宅の敷地面積は約220坪。私たち日本の住宅事情と比較するとうらやましい限りですが、今回紹介する庭は高級住宅地にある家のものではなく、ごく一般的な規模の住宅の庭です。
オーナーが自ら趣向を凝らしたもので、決して充分な広さとはいえない敷地を上手に使ってオリジナリティーあふれる庭に仕上げられています。
いずれも自然とのふれあいを重視したコンセプトで、私たちにも大いに参考になるでしょう。

右の写真はスコットさんのお宅のエントランス。
トーテムポールのゲート迎えてくれます。(写真1)

 


 

 

 

庭の小道には手の込んだ細工が施されたトーテムポールが。(写真2)

 

自然な景観にこだわった植栽。森に迷い込んだように計算されています。(写真3)

 

石畳の周りには可憐な野草や野花。日本の庭にも通じる趣があります。(写真4)

 

 

 
 

 

 

 

庭の中にあるコテージ。奥の壁にはインディアンの伝統的なデザインの彫刻が。(写真5)

 

スコット邸はトップライトの屋根が印象的なシンプルでモダンな造り。個性的な庭との対比が見事です。手前に見えるのはは池ではなくプール。(写真6)
 

 


 

leaf01a.gif この庭はカナダ西岸ファースト ネーションのシンボルであるトーテムポールやアート作品を至る所に配置して個性的に仕上げたネイティブ・アートガーデンです。

オーナーのスコットさんは直接トーテムポール製作者のもとを訪れて製作を依頼しているのだそうです。作品によって幅はありますが、約CAN$15,000〜20,000(1CAN$は約80円)程度で譲ってもらえるのだとか。ちなみにここに紹介しているようなトーテムポールは、現在でも地元のファースト ネーションアーティストにより制作されています。その作品スタイルも数メートルの高さに及ぶ本格的なものから室内装飾用までさまざまです。
これらの作品を集めた専門のギャラリーもあり、中でもバンクーバーの旧市街地、ガスタウンのDOUGLAS REYNOLDS GALLERYや CANOE PASS GALLERYといった専門のショップが人気を集めています。
ファースト ネーションアートは自然への畏敬の念を表現しています。カナディアン・ファースト ネーション独自の感性で自然を表現したこれらの作品は、純粋にアートとしての評価も高く、見るものに静かな感動を与えてくれます。

この庭は自然の再現がコンセプトになっており、木や植物もすべて地元に自然に生えているものが植えられています。
入り口はトーテムポールのゲートが目立つだけでコンクリートの塀の向こうは外部からは見えないように設計されています。住人だけが コレクションと共に庭を楽しめるようになっているわけです(写真1)。
小道に沿って中に入ると木や植物が巧く配置され、敷地が狭いにもかかわらず(約30坪)森林を歩いているような感覚をおぼえます(写真3)。 石畳の廻りには自然そのままの形を重視し 野草、野花をが楽しめるように配置されています(写真2)。自然に見せていますが、手入れは行き届いており、日本の伝統的な庭に立ったような錯覚さえ覚えます。
物置小屋の壁にも、ファースト ネーションが集会場のような建物の壁にあしらう伝統的な彫刻を再現(写真5)。デザインの統一や庭造りのコンセプトがこのような細かなところにも見られます。

こうした形式に拘らないインフォーマルガーデンなスタイルは、WEST COAST GARDEN DESIGNの特徴のひとつであり、西海岸では比較的多く見られものです。


 
 

レポート&資料提供:

ガーデニング・コーディナーター

阪下 豊    在カナダ

Canadian Seasons Floral & Gardening Training Centre

ホームページ:
www.radionippon.com



 
 

編集部よりひとこと

海外ではこのように伝統的なアートや現代美術の彫刻などをすまいに取り入れるのは決して特別なことではないようです。ごく一般的なビジネスマンのお宅に庭に現代アートの作家の作品があるのもそう珍しいことではないと聞きます。ごく自然にアートが身近にある暮らし・・・見習いたいものですね。まずは、お気に入りのアーティストのポストカードを壁に飾ることからはじめてみませんか?

 


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