若ヶ谷の家


 

 

設計: 川添デザイン事務所

 

 
□ロケーション
兵庫県播磨地方にある町の中心市街地に位置し、もとは製材所の原木置き場として利用されていた土地である。敷地の4面のうち2面は道路、1面は用水路を隔てた隣地に接している為、直接の隣地は西面のみである。それぞれ銀行、郵便局、住宅、集合住宅が建ち、2〜3階建ての低層の建物に囲まれている。

コンセプト
夫婦2人のための家であり、仕事のアトリエを有している。境界が不明瞭でヒエラルキーのない空間が連続すること、材料・設備にサスティナブルであることを課題とした。
元々この敷地が開けた場所であった為、道路の交差する角は、以前の見通しを確保できるようオープンスペースとしている。南側の塀は敷地境界線からセットバックし白樫の生垣とするなど、敷地のボーダーラインに中間領域を設け、一般に開放している。敷地周辺は銀行、郵便局への人が多く日中は比較的賑やかな環境である。住宅としてのプライバシーを如何に保ち、かつアトリエのパブリシティーを展開できるかが検討された。建物には敷地の南北の境界まで伸びるRCの壁が貫通している。この壁を境にアトリエのゾーンと住居のゾーンに分れ、それぞれの空間を保っている。外部空間は更に数枚のRC壁によって分割され、内部から連続する空間の一部として設定している。建物は間口6.65m長さ19.95mと東西に長く(サンルーム部分をのぞく)、平屋のフラットな屋根が敷地のほぼ中央に配置される。敷地の南と北に広がりをもった庭があり、南の庭−内部−北の庭という一体の空間を意図している。そのため内外の接点である建具は、より開放的であるようデザインしている。内部は用途に応じ、閉ざされた空間と連続する空間をダイナミックに切り替えることが出来る。各室を分かつ建具はその存在感を消し、オープン・クローズいずれの場合でも壁の一部として扱われる。そこでは建具を天井までの高さにとり、それを取り付けるための枠も床・壁・天井と同化させ、建具の出入口の象徴としての意味を減じている。建物は日本の風土の特性を生かした計画としている。南に長く配置し、庇の深さを1.1mとして通風と日射に配慮している。また設備的にも省エネルギー・省資源、負荷の軽減を実現している。具体的な施策は以下の通りである。
・ パッシブシステム:広い屋根面積を活かし、屋根に中空層を設け、太陽熱で加熱された空気を冬季は強制循環を行い内部に放熱し、夏季は外部に強制排気する。
・ 小屋裏強制排気システム:夏季の屋根の中空層を強制排気し、屋根の相当外気温度(日射を加味した外気温度)を下げる。天井面温度を室内温度に近いづけ負荷を軽減する。
・ 太陽光発電システム:太陽電池パネルで発電した直流電気を交流に変換し、建物内部の負荷に供給する。
・ 井水利用:敷地内の井戸より、便器洗浄水・散水・洗濯用水に利用し、上水使用量の削減及び自己水源を確保する。 使用している材料は、木、石、珪藻土など素材に違い無垢の材料を極力用いている。
時間の経過とともに緩やかに変化していく美しさを感じる家となることを期待している。

□外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板たてはぜ葺き、
構造用合板t=9+空気層t=30+断熱材t=30(旭化成:ネオマフォーム)+構造用合板t=9
外壁/ジョリパットこて仕上げ、
モルタルこて押さえt=20、構造用合板t=9+空気層t=24+断熱材t=25(旭化成:ネオマフォーム)
アプローチ土間/玄昌石

□内部仕上げ
床/杉板 t=30
壁/珪藻土
天井/珪藻土

□建具
外部/玄関木製板戸:シーダー、木製框戸:米ヒバ、その他:アルミサッシュ
内部/木製框戸:米ヒバ、木製板戸:シナ合板フラッシュ

□設備
パッシブシステム/モーターダンパー(夏季及び冬季の切替)、温度スイッチにより作動
小屋裏強制排気システム/温度スイッチにより作動
太陽光発電システム/太陽電池パネル9枚:1.17KW(シャープ)
井水利用/敷地内に作井し、便器洗浄水・散水に利用
薪ストーブ/対流熱式、最大出力:8,
000kcal

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    物件所在地:兵庫県加東市
    用途:住宅
    設計、監理期間:2002年4月〜2003年7月
    規模、構造:
    @延べ面積:139u
    A木造平屋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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